2012年08月13日

【解答】国語の間違い探しをしてみよう


さぁ、諸君。
どれくらい間違いを見付けられただろうか。
早速、解答と行こうではないか。

適当な言葉に置き換えられなかった語句は「???」とした。

1. やむおえない→止むを得ない(もしくは已むを得ない)
2. 従来から→従来(「から」がいらない)
3. 一貫して貫いて→貫の重複
4. すべからく→すべて(「当然~すべき」や「ぜひとも」という意味)
5. 話し→話
6. 元旦の夜→元日の夜(元旦とは元日に昇る朝日だから朝以外あり得ない)
7. 確立→確率
8. 一応→それでも(「一応」は「一度、一回」か「とりあえず」「完全ではない」という意味)
9. 頭は斬れる→頭は切れる
10. 以外→意外
11. 速く→早く(「速く」はスピードを表す)
12. 汚名挽回→汚名返上(汚名は挽回しちゃイカンだろ)
13. 確信犯→知能犯?(宗教や信念に基いて行われる犯罪。逆にそれが社会的に許されないこととわかっていながら行う犯罪は「故意犯」である)
14. 姑息→卑怯な(「姑息」とは抜本的解決のためでなく、その場凌ぎの手法を用いること。「姑」しばらく「息」休むから転じている)
15. 的を得ている→的を射ている
16. 憮然→ムっとした(失望して呆然としている様)
17. 世間ズレ→世間とずれて(世間に揉まれて狡賢くなること)
18. 一姫二太郎→???(一人目が女の子だと育児が楽に思える、という意味)
19. 小春日和→???(11月以降の初冬から使う言葉)
20. 愛想→愛嬌
21. 忸怩たる→???(言動や行動に恥じ入る様)
22. たむけられ→贈られ(「手向ける」とは神仏や死者に供物を捧げたり、別れる人に餞(はなむけ)を送るときに用いる。親にしてみると「家」から旅立つ、という意味で「別れ」とも受け取れるが、お祝い事では不適切と思われる)
23. フューチャー→フィーチャー(”featuer”のこと。「特色、特集」といった意味があるが可算名詞で見物という意味もあるため、ここでは「注目される」の意味)
24. 舌づつみ→強いて言うと「舌つづみ」(舌+鼓という単語なので「つづみ」が正しいが、現在はどちらでも良いとされている)
25. 優秀の美→有終の美
26. いれただろう。→いられただろう(典型的「ら抜き」用法。入れた、容れたなどと誤解される)
27. コミニュケーション→コミュニケーション(”communication”だからコミュニケーションとしか読めないはずだが)
28. 嘘ぶいて→嘯いて(嘯くには「法螺を吹く」以外に「豪語する」の意味があり、ここでは後者の意味。嘯は鳩を集めるときに使う口笛からきているという説がある)
29. 覚める→醒める(どちらでも間違いじゃないが、酒の場合、後者の方が『教養』は感じる)
30. 役不足→力不足(役者の力量に対して役が軽過ぎ不平を言うことが「役不足」)
31. 気のおける→気のおけない(気をおいたら気遣いで疲れる友人になってしまう)
32. 絶対絶命→絶体絶命(絶対アイツを絶命させてやる、という固い決意なら適当かも知れない)
33. シュミレーション→シミュレーション(simulation)
34. 嫌が応にも→否が応にも
35. ・・・・→…(3点リーダや2点リーダは「約物」と呼ばれる特殊記号。文末の余韻や時間の空白を表すときに用いられる。4点リーダは存在しないし、中黒4個も間違い。尚、3点リーダを「、、、」や「。。。」とするのも明らかな誤用である)
36. うる覚え→うろ覚え
37. 危機一発→危機一髪(髪の毛一本ほどの僅かな差によって窮地に立たされるとの意味)1ここは2重の誤用で「唯一にして」を受けるなら「最大の」とするのが自然。危機一髪で受けると意味がわからなくなる。
38. リカバリし→切り抜け或いは凌いだ(”recovery”とは回復や修復という意味で用法間違い。PC用語で頻繁に用いられるため、最後の長音記号を省略表記することが一般的である。これはJISの規格に沿ったものである))
39. ふいんき→雰囲気
40. 場が冷める→興が醒める或いは場が白ける
41. 五里夢中→五里霧中(現在の状態や方角がわからなくなり迷うこと。1里は≒3.9km)

41ヶ所見付けた。
「やむおえない」や「ふいんき」は、耳からの情報だけで言葉を知っているのが原因で間違うケースだろう。これらの間違いを犯す原因は、活字を読まないか、読んでも耳から入ってきた言葉と結びついていないからこそ、それを間違いだと思わないのだ。
「通り」を「とうり」とするのも同類の間違いである。
また「危機一発」のように、間違いをわかって使っているなら問題ないが、それを認識していないのなら、やはりまずいだろう。この一髪を一発に置き換えるのは、1964年公開の007シリーズのタイトルで有名になったからだ。イアン・フレミングの原題は「From Russia with Love/ロシアより愛をこめて」だった。
当時、このタイトルではヒットしない、と考えた水野晴郎が付けた邦題が「危機一発」である。銃弾の「一発」に引っ掛けた洒落だったらしい。一発逆転の意味もあったと言われているが、今となっては水野晴郎氏も亡くなっており、真相は謎だ。「ロシアより愛をこめて」の名で公開されたのは72年のリバイバル時である。
「コミュニケーション」と「コミニュケーション」、「シミュレーション」と「シュミレーション」のような間違いは、語源の英語スペリングを考えないからこそ起きる間違いだ。
今、子どもの英単語テストをやっているが、スペルミスしたものを「どう読めるのか考えてごらん」というのが口癖になっている。RとLの違いや黙字は暗記するしかないが、余計な文字が入ったり抜けたりすれば、頭に描いた発音ができなくなるのだから「何か間違えている」と考えてみるべきなのだ。

個人で全く誤字脱字や誤変換を排除することは難しい。
だが、明らかに意味の間違った用法などは気にするべきである。自分の常識が、果たして正しいのか、という疑問を持つことも必要だと思う。
日本語は難しい。それを使いこなす日本人は、言語に関して非常に高度な知性を有している、と言っても良いのかも知れない。それを使ってコミュニケーションを取っているわけだが、文章だけによるネット社会は更に難しい壁がある。
しかし、その前に知っておかなければならないのは、個人の一意見であっても人に影響を与えるということである。

【追記】
ひとつ記入ミスがあったので追記。

触り→イントロ
触りというのは、その作品中の代表的な部分を指す。一般的に音楽ではサビの部分が耳に残りやすいので、ココを指すことが多いと思われる。ただし、HRやHMではリフということも多いので、一概にサビとは断言できない。
この文章の流れでは「イントロをチラッと聴いただけで何の曲かわかった」という意味なので「イントロ」が最も相応しいと思われる。
家族の会話で「触り」が出て、ふと「書いてたっけ?」と見直したら書き漏らしていた。
よって42箇所。




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Posted by *clear* at 10:54│Comments(0)受験・進路
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