2012年04月22日
寿司に挑戦
夜、酒を飲みながらふと思った。
「ウチって寿司はしないよな」
テレビを観ていた家族に「明日、お寿司食べたい人手を挙げて」
と訊くと全員が手を挙げた。
寿司と言っても握り寿司や手巻き寿司では無論ない。そんな具材に値の張る料理などするはずもない。
寿司といえば「いなり寿司」「巻き寿司」「ちらし寿司」辺りのことを指している。
子供の頃、何か特別な時にはこれらの寿司を家族で拵えていた。運動会の弁当には巻き寿司やいなり寿司が入っていた。実は懐かしい味でもある。
質素だった祖父はちらし寿司が好物で、我が家では出現頻度の高い料理だった。昼下がりに酢の匂いが台所に漂っている光景だった。今のようなマグロやイクラの入った寿司ではなく、干し椎茸やかんぴょうの炊いたものや錦糸卵とデンブのピンクが印象に残る田舎のちらし寿司だった。好き嫌いの多かったオレはあまり、この寿司が好きではなく心の中で「またか」と思ったものだった。
甘党の祖父に合わせて、かなり甘い味付けだったからだ。
こんなこともあった。
父の得意先に呼ばれて何かのお祝いの席でのことである。
そのとき握り寿司が出た。
オレは、生魚が全くダメだった。そのクセ、握りのシャリは好きでそればかり食べていると母から
「そんな勿体ないことをするんやったらウチでご飯食べよ」
と言われた。オレが「ご飯でもこのご飯は違う」と言うと「どっちも一緒」と叱られた。父が「寿司のシャリは違うやろ」と救いの手を出したが母は聞く耳を持たなかった。
「この人は何で味が違うことがわからんのやろう」と子供ながらに思い、自分の意見が通らないもどかしさを感じたものだった。
オレが3歳の時だが、今でも良く記憶に残っている。
幼少の頃の寿司はあまり良い思い出ではない。
握り寿司を本当に美味いと思って食べ始めたのは20歳を過ぎてからだと思う。肉も食べなかったから、何食って生きてたんだろうな。重いネフローゼを患って減塩食だったこともあり、食うことに関しては喜びより苦痛を伴った子供時代である。
じゃ、作り方いくぞ。
五目いなり寿司(40個分)
<揚げ>
油揚げ…20枚
鰹出汁汁…400cc
砂糖…大さじ4
醤油…大さじ3
<具>
ニンジン…1本
干し椎茸…2個
牛蒡…細め1本
水煮竹の子…1/2本
こんにゃく…1枚
椎茸の戻し汁…200cc
砂糖…大さじ3
醤油…大さじ1強
酒…大さじ1
みりん…小さじ1
鰹出汁…小さじ1
<酢飯>
米…4合
出汁昆布…1枚
酢…120cc
砂糖…大さじ3.5
塩…小さじ2
胡麻…大さじ2
<アサリの潮汁>
アサリ…1パック
出汁昆布…1枚
水…1000cc
塩…適宜
醤油…適宜
酒…大さじ1
浅葱…適宜
三つ葉、貝割れ大根等…好みで
段取りが大事なので、まず全体の工程から。
前日もしくは当日の午前中に揚げと具の仕込み
当日の夕方に普段より早めにご飯を炊き始める
ご飯を炊いている間に、汁物を作る
油揚げの油抜きからだ。
いなり寿司やきつねの具材として使う油揚げは良く油を抜いてやらないと、揚げ油の匂いがキツイのでココから始めよう。
多分、お湯を掛けて油を抜く方法は知っていると思うが、これではまだ抜け切っていない。経験的に鍋で煮た方が油が良く抜けてふっくらし、少ない味付けでしっかり味が付くようだ。
油が抜けた揚げを流水で冷まし、水気を破らないよう注意しながら良く絞り、半分に切る。
西日本では三角になるようにして、東日本では俵型になるようにする。オレは子供も一緒に作ることを考えて、作りやすい関東の俵型にした。
出汁汁はすべて混ぜてから揚げを入れて炊く。揚げは良く味を吸うので、煮ている途中で調味料を入れると、全体に行き渡らないうちに揚げに沁みてしまう恐れがあるからだ。
約10分、弱火で炊いて冷ましておく。
具材の大きさはできるだけ小さい方が、揚げにシャリを詰める時にやりやすいと思う。椎茸もスライスするだけでなく、長さも切り詰めておいた方が良いだろう。特に竹の子が大きいと纏まり難いので、大きいと感じたときは小さく切っておいた方が間違いない。
牛蒡は皮を取って笹がきにして酢水にさらす。
出汁汁は干し椎茸の戻し汁と水を合わせて200ccにして炊く。炊き方は普通に煮物をやる要領でいい。
みりんは本みりんであれば尚良い。みりんには甘味や照りを出す以外に煮崩れを防止する役目がある。ニンジンは小さく刻まれているので煮ている内に形がなくなることもある。もしみりんが「みりん風調味料」とか「新味料」だったら、酒の料を少し多目にすること。酒のアルコールにも似たような効果がある。
こちらも炊き上がったらそのまま冷ましておく。
<共通事項>
炊くときは菜箸ではなく木しゃもじを使うこと
さぁ、飯を炊くぞ。
寿司酢を合わせて冷ます時間と詰める時間があるので、作る量にもよるが2時間くらい早めに始めようか。
米を普通に洗って硬めに炊く。多分、炊飯器に寿司飯のコースがあるだろうから、あればこれに従って炊くこと。
出汁昆布を米の上に乗せて炊く。後は炊飯器任せ。
米の量は油揚げの大きさによるんだが、10個で1合が目安。
その間に「あさりの潮汁」を作る。
あさりは砂を吐かせたか?砂抜き済みのしじみも、家庭でもう一度砂を吐かせた方が良いだろう。
ボウルに水を張って、貝同士を擦り合わせるようにして洗う。
鍋に水と出汁昆布、洗ったあさりを入れて中火で煮ていく。
澄まし汁なので出た灰汁はていねいに掬い取ること。昆布は沸騰したら取り除く。
貝が全部開いたら、一旦笊に上げる。加熱しすぎると身が硬くなってしまうからだ。
ここであさりから出た塩の加減を味見して塩と醤油で調整する。塩加減は使うあさりで異なるので、自分の舌で確かめながら調整すること。浅葱は小口切りして食べる直前に散らす(書くまでもないか)
飯が炊き上がったら昆布を取り除いて混ぜ、合わせておいた寿司酢を全体に掛けてしばらく待つ。
10秒~15秒くらいだろうか。
寿司酢が馴染むのを待って、しゃもじで切るように混ぜていく。
本当は寿司桶でやるのが一番だろうが、我が家では寿司を今まで作らなかったので用意してないんだよな。炊飯器の釜で合わせたが、まぁそれでもできないことはないもんだ。大き目のボウルでもできそうだな。
炊いておいた具も加えて炒りゴマと一緒に混ぜよう。
後は団扇で扇いで荒熱と不必要な水分を飛ばしたら、触って「あっちぃー!」にならない温度まで冷ます。
寿司酢の量はご飯3合に対して100ccが基本。
さぁ、みんな手をもう一度洗っておいで(ここ大事)
炊いた揚げは汁気が残るくらいで軽く絞っておく。
手に煮汁を付けてシャリを握る。
左手に開いた揚げを持ち、右手でシャリを握って入れる。
そんなの当たり前だって?
うちの娘は左利きなんだよ。
角のトコロまできちっとシャリが入った方が見た目が美しいが、必要以上にこだわらなくていいよ。指で形を整えろな。
一回、シャリを詰めたら酢飯の糊をボールに張った水で洗って煮汁を手に付ける。子供たちと一緒にやると楽しいぞ。
できあがったいなり寿司と潮汁は評判も上々。
もの凄い勢いで減っていくいなり寿司は40個では足りなかったのでは?と思うペースだった。
初めていなり寿司は作ったんだが、まずまず成功。子供時代に親や祖母と作っていたいなり寿司の記憶も、大人になって役立つもんだな。
<揚げ>
油揚げ…20枚
鰹出汁汁…400cc
砂糖…大さじ4
醤油…大さじ3
<具>
ニンジン…1本
干し椎茸…2個
牛蒡…細め1本
水煮竹の子…1/2本
こんにゃく…1枚
椎茸の戻し汁…200cc
砂糖…大さじ3
醤油…大さじ1強
酒…大さじ1
みりん…小さじ1
鰹出汁…小さじ1
<酢飯>
米…4合
出汁昆布…1枚
酢…120cc
砂糖…大さじ3.5
塩…小さじ2
胡麻…大さじ2
<アサリの潮汁>
アサリ…1パック
出汁昆布…1枚
水…1000cc
塩…適宜
醤油…適宜
酒…大さじ1
浅葱…適宜
三つ葉、貝割れ大根等…好みで
段取りが大事なので、まず全体の工程から。
前日もしくは当日の午前中に揚げと具の仕込み
当日の夕方に普段より早めにご飯を炊き始める
ご飯を炊いている間に、汁物を作る
油揚げの油抜きからだ。
いなり寿司やきつねの具材として使う油揚げは良く油を抜いてやらないと、揚げ油の匂いがキツイのでココから始めよう。
多分、お湯を掛けて油を抜く方法は知っていると思うが、これではまだ抜け切っていない。経験的に鍋で煮た方が油が良く抜けてふっくらし、少ない味付けでしっかり味が付くようだ。
油が抜けた揚げを流水で冷まし、水気を破らないよう注意しながら良く絞り、半分に切る。
西日本では三角になるようにして、東日本では俵型になるようにする。オレは子供も一緒に作ることを考えて、作りやすい関東の俵型にした。
出汁汁はすべて混ぜてから揚げを入れて炊く。揚げは良く味を吸うので、煮ている途中で調味料を入れると、全体に行き渡らないうちに揚げに沁みてしまう恐れがあるからだ。
約10分、弱火で炊いて冷ましておく。
具材の大きさはできるだけ小さい方が、揚げにシャリを詰める時にやりやすいと思う。椎茸もスライスするだけでなく、長さも切り詰めておいた方が良いだろう。特に竹の子が大きいと纏まり難いので、大きいと感じたときは小さく切っておいた方が間違いない。
牛蒡は皮を取って笹がきにして酢水にさらす。
出汁汁は干し椎茸の戻し汁と水を合わせて200ccにして炊く。炊き方は普通に煮物をやる要領でいい。
みりんは本みりんであれば尚良い。みりんには甘味や照りを出す以外に煮崩れを防止する役目がある。ニンジンは小さく刻まれているので煮ている内に形がなくなることもある。もしみりんが「みりん風調味料」とか「新味料」だったら、酒の料を少し多目にすること。酒のアルコールにも似たような効果がある。
こちらも炊き上がったらそのまま冷ましておく。
<共通事項>
炊くときは菜箸ではなく木しゃもじを使うこと
さぁ、飯を炊くぞ。
寿司酢を合わせて冷ます時間と詰める時間があるので、作る量にもよるが2時間くらい早めに始めようか。
米を普通に洗って硬めに炊く。多分、炊飯器に寿司飯のコースがあるだろうから、あればこれに従って炊くこと。
出汁昆布を米の上に乗せて炊く。後は炊飯器任せ。
米の量は油揚げの大きさによるんだが、10個で1合が目安。
その間に「あさりの潮汁」を作る。
あさりは砂を吐かせたか?砂抜き済みのしじみも、家庭でもう一度砂を吐かせた方が良いだろう。
ボウルに水を張って、貝同士を擦り合わせるようにして洗う。
鍋に水と出汁昆布、洗ったあさりを入れて中火で煮ていく。
澄まし汁なので出た灰汁はていねいに掬い取ること。昆布は沸騰したら取り除く。
貝が全部開いたら、一旦笊に上げる。加熱しすぎると身が硬くなってしまうからだ。
ここであさりから出た塩の加減を味見して塩と醤油で調整する。塩加減は使うあさりで異なるので、自分の舌で確かめながら調整すること。浅葱は小口切りして食べる直前に散らす(書くまでもないか)
飯が炊き上がったら昆布を取り除いて混ぜ、合わせておいた寿司酢を全体に掛けてしばらく待つ。
10秒~15秒くらいだろうか。
寿司酢が馴染むのを待って、しゃもじで切るように混ぜていく。
本当は寿司桶でやるのが一番だろうが、我が家では寿司を今まで作らなかったので用意してないんだよな。炊飯器の釜で合わせたが、まぁそれでもできないことはないもんだ。大き目のボウルでもできそうだな。
炊いておいた具も加えて炒りゴマと一緒に混ぜよう。
後は団扇で扇いで荒熱と不必要な水分を飛ばしたら、触って「あっちぃー!」にならない温度まで冷ます。
寿司酢の量はご飯3合に対して100ccが基本。
さぁ、みんな手をもう一度洗っておいで(ここ大事)
炊いた揚げは汁気が残るくらいで軽く絞っておく。
手に煮汁を付けてシャリを握る。
左手に開いた揚げを持ち、右手でシャリを握って入れる。
そんなの当たり前だって?
うちの娘は左利きなんだよ。
角のトコロまできちっとシャリが入った方が見た目が美しいが、必要以上にこだわらなくていいよ。指で形を整えろな。
一回、シャリを詰めたら酢飯の糊をボールに張った水で洗って煮汁を手に付ける。子供たちと一緒にやると楽しいぞ。
できあがったいなり寿司と潮汁は評判も上々。
もの凄い勢いで減っていくいなり寿司は40個では足りなかったのでは?と思うペースだった。
初めていなり寿司は作ったんだが、まずまず成功。子供時代に親や祖母と作っていたいなり寿司の記憶も、大人になって役立つもんだな。
Posted by *clear* at 13:21│Comments(0)
│おいちーよ♪