2012年04月20日

家庭で作る究極の麻婆豆腐


家庭で作る究極の麻婆豆腐

長女が日記に「お父さんの作る麻婆豆腐が美味しい」と書いたらしい。担任の先生からレシピを教えて欲しい、とのリクエストがあったそうなので急遽レシピを公開することにした。
実はこのレシピに辿り着くまで紆余曲折して現在の味になっている。もったいぶって、公開はもう少し先にしようかな、などと思っていたのだが、そういう事情なら仕方あるまい。

さてこの麻婆豆腐、日本で言う麻婆豆腐とは少し趣が異なる。
日本の麻婆豆腐はマイルドで万人受けする味にアレンジされている。オレの作っている麻婆豆腐は麻(マー)と辣(ラー)が特徴の四川式「陳麻婆豆腐」だ。
非常に辛いのだが、子供たちですらこの味でないとダメ、というほど一度食べたら日本のマイルド麻婆豆腐に戻れないほどハマる麻婆豆腐である。

男の料理は素材に金が掛かる、と言われている。確かにそういう側面はあるな。
「趣味」で料理をする男性はやれ「豚肉はイベリコじゃないと」とか「醤油はマルナカの3年物に限る」とかやたら素材や調味料に値の張るものを使いたがる傾向がある。
そりゃ、いい素材を適切に使えば美味しいに決まっている。
でもな、毎日食べなきゃならないわけで毎日そんな料理やってたら、一体エンゲル係数はどれくらいになるんだ?
というわけで、オレの作る料理は基本、近所のスーパーで普通に手に入りコストを掛けないことがセオリーなんだ。
そのオレが今回は珍しく調味料を指定するぞ。
指定は豆板醤だ。
欲を言うと、豆板醤は「郫県(ピーシェン)豆板醤」を使って貰いたい。もしかすると文字化けしてるかな?
ピーシェン豆板醤というのは、空豆の形がまだ残っている3~4年醗酵させた豆板醤で、四川のピーシェンで作られていることから名付けられた。
通常の豆板醤より茶色で辛さはマイルドだが、深いコクと旨味が強い。大分のスーパーでは見掛けないがネット通販で購入できる。
リンクしておくので参考に見てみてくれ。

家庭サイズ小瓶ピーシェン豆板醤250g

ユウキ食品の「四川豆板醤」で代用して貰っても構わないが、味は違ってくるからな。値段的にはビックリするほど違わないので(1.5倍くらい)、ピーシェンを一度試して欲しい。

他の素材は日常的に手に入り、しかも安売りになっている素材。
例えば、本場では葉ニンニクを使うが、手に入り難いので(タマに出ることがある)今が旬のニラで代用している。肉も合挽きか牛ミンチを使うんだが豚ミンチでも十分美味い麻婆が作れるぞ。

中華は本調理になってからが非常に早い。
文章で読むと長そうだが、本調理は10分以内なので、下準備と鍋を火を掛けてからの手順を十分にアタマに叩き込んでから掛かること。
焦らず手早くやること。
この料理は炒めと煮込みを併せ持った料理ということを忘れるなよ。中華のかっこいい鍋さばきをマネしようと思い、肝心な火入れができていないと全く違う仕上がりになるからな。
何度も言うようだが、プロと家庭の火力と条件が違うんだから、同じようにやってもできない、いいな。

じゃ、作り方行くぞ。



<材料(5人分)>
豚ミンチ…120g
木綿豆腐…1パック
ニラ…1束
ニンニク微塵切り…小さじ1.5
長葱(白い部分)…10cm

毛湯…160cc

<合わせ調味料>
ピーシェン豆板醤…大さじ2
甜麺醤…小さじ1
オイスターソース…大さじ1
唐辛子…小さじ1

<仕上げ調味料>
豆豉…3個
塩コショウ…適宜
醤油…適宜
酒…適宜

五香辣油…小さじ2
ゴマ油…小さじ1
片栗粉…小さじ1
花椒…適宜

まず下拵えからだ。
豆腐は1.5~2cmのさいの目切りにして水に晒す。
ニラは長さ3cm程度で削ぎ切りにしろ。香りのある野菜は、刃を寝かせて切って切断面の断面積を大きくするのがポイント。
ニンニクは潰して微塵切り、白葱は縦に4等分して微塵切りにしておく。
豆豉(トウチ)というのは大豆を醗酵させた中国の調味料だ。軽く表面を洗ったら水気を拭き取って、3等分にして荒く微塵にしておく。
合わせ調味料は混ぜて少量の湯で伸ばしておくと良いだろう。
通常、オイスターソースは入れないがオレは入れた方が美味かったので入れている。オイスターソースは広東料理がメインだから四川じゃ使わないんだろうな、きっと。
毛湯(マオタン)とは鶏ガラと豚ガラに豚骨を加えて取ったスープのことだ。家庭で作ることもできるが、粉末の中華スープの素を湯に溶いたものでも代用できるぞ。湯1カップに対して小さじ1弱で水臭いくらいの濃度にしておく。
片栗粉は水と1:1で溶いておく。

さあ、準備は整ったか。
小鍋に湯を沸かし、塩を小さじ1杯入れておけ。湯が沸いたら、豆腐を入れて煮る。グラグラ煮る必要はないぞ。豆腐を温める感じで良い。

よし、本調理に行く。
中華鍋を良く熱して、慣らし油を注いで大きく回し慣らしたら油を捨てる。
炒め用の油を入れるが大さじ1くらいの油で肉を炒め始める。ミンチ肉は脂肪を混ぜてあるので肉からも脂がかなり出る。最初からたくさん油を入れると、炒めるちゅうより揚げるになってしまうぞ。足りないようだったら油を追加する感じで良い。
豚ミンチを炒める。
お玉の先端を使ってばらすように炒め始め、ある程度火が入ったらお玉の底で鍋肌に押し付けるようにする。よ~く炒めろ。ココは大事な大事なアタックチャンス
じゃなかった、ポイントだからな。
とは言っても、どの程度か分からんだろうから、見極め方な。ミンチから出てくる脂が透き通って、肉がパチパチと音のするまで。
肉が炒め終わったら調味料を入れるぞ。
肉を周囲によけて、鍋の真ん中に炒めるスペースを空けろ。油が少なかったら追加。ここからは焦げやすいからな。
焦げると旨味じゃなくて苦味ばかりになるから手早くな。
合わせ調味料を入れてよく炒め、泡立つようにになったら肉と混ぜ合わせる。
ニンニクの微塵切りを加えて炒め、毛湯を加えて煮る。
ニラを加えて大きく混ぜ合わせ、温めておいた豆腐を入れる。
多分スープが少ないと思う。豆腐がヒタヒタになるくらいまで水を加えて煮て行く。
豆腐を混ぜる時はお玉の底で鍋の向こう側に押すようにして混ぜるんだぞ。引っ掻き回すと豆腐が崩れて台なしになるぞ。あまり弄るなよ、3回くらい混ぜりゃ上等だ。
そろそろ仕上げだな。
味を見て、足りないようなら塩コショウ、醤油、酒で味を調える。必要ないと思えば少しだけ酒を入れて一煮立ちさせ火を止める。
水溶き片栗粉を鍋肌に掛からないよう細く全体に垂らし、お玉で一回ししてとろみを付けて火を再点火。
五香辣油とゴマ油を鍋肌から入れて香りを出し、仕上げに花椒を振る。
花椒(ホアジャオ)とは四川料理でよく使われる中国の山椒のことだ。痺れるような辛さがあり「麻」とは花椒の味を指す。麻婆豆腐では欠かせない香辛料だ。
本場では表面が黒くなるほど入れるが、子供もいることだし、まぁホドホドに入れる。
花椒は粉とホールの荒挽きがあるが、陳麻婆豆腐では両方を使う。
器に移して完成。

痺れるような辛さの中に肉の旨味と、とろけるような豆腐の食感が味わえる。
メシがガンガン進むのでタップリ用意しておけ。
どうだ、美味いだろ。おっ、もうおかわりか?
問題はな、豆腐1丁分の量が我が家では足らなくなってきている、ということなんだなぁ。




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