2011年06月03日

経営者の条件

〇〇の条件というのは色々だけど、今書こうとしているのは「経営」の話だ。
一体、何のことかと思うかも知れない。

皆さんは家計簿をつけているだろうか?
大雑把でもつけているなら及第点だが、全くしていないのなら今からでも始めるべきだと思う。
僕は今でこそExcelで家計も含めて一切管理しているのだが、子供の頃から出費を記録するのはちょっとした習慣だった。習慣と言うのは語弊があるかな。
貯金をするためにどれくらい無駄遣いしているか知る為に、あるいは趣味にどれくらいお金を使っているか把握して客観視する材料だと言った方が正しいような気がする。
要するにその数字を見て反省材料にしていたのだ。

そうお察しの通りお金の話です。

またか!(そう、またです)

チャップリンは人生において必要なものは「勇気と想像力。それと、ほんの少しのお金」と言ったが、真実から言うとお金がなければ手も足も出ない。
生きていくにはその為の最低限のお金がなくてはできない。田舎暮らしに憧れて農業を始めた話を聞いたこともあるけど、田舎で生きていくにもお金が必要。畑からは食しか提供してくれない。電気も服も医療も現金が必要で、結局、何かを現金に換える手段を考えなくてはならない。都会に憧れて上京し、夢破れることと同様に逆もしかり。田舎暮らしもハードだったりするわけだが。
おっと、話が変な方向に行き始めた。
その生きていく最低価格は自分で決めなきゃならないわけだが、それはデータがなくては判断できない。それが家庭であれば家計簿であり、企業なら会計帳簿となる。

会社の経営で大事なものはいくつもある。
優れた技術やアイデア、優秀な営業力や人材、会社としての結束力。
確かにどれも大事かも知れない。
しかし最も大事なものは、と聞かれたら僕は迷わず「経理力」と言う。
これは考え方とか思想などといったものではなく確信。
もし斬新なアイデアがあって今から起業しようと思っているとする。しかしお金に疎いと自負していて、勉強して克服してやろうという気もないのなら・・・

絶対に起業すべきでない

「しない方がいい」などという優しい言い方ではない。絶対にするな、である。
それほどマネージメントが企業にとって大事なのだ。個人経営でも規模が小さいだけで全く同じ。言い換えると会社の運営とはお金の運営と言っていいほどに思える。これがサラリーマンの目から見た実感。
サラリーマンが全て同じに感じているとは言わないけど、僕の場合、就職していきなり会社の倒産を経験してしまっただけに考えさせられた、というのもあるし、その後、自分自身が経営者の立場になって実感した部分でもある。
お金があれば会社って倒産しないんだけど、じゃあお金がなくなる原因ってなんだろう。
仕事が減った。確かにそれは大きいし痛いね。
しかし仕事が極端に減ってないのにお金がない。そういう事ってあるんですよ、現実に。
色んな原因でそうなるんだけど、例えば税金なんかもその一例。
昨年、業績が良かった会社が翌年、業績を落としたとする。税金は昨年の売上げに課税されるので、その税金を残していなかったら、翌年の売上げから支払うことになる。業績は落ちているので当然、支払えない。
どういうわけか会社のトップというのは右肩上がり理論がお好きなようで「今年より来年はもっと売り上げよう」などとハッパを掛けちゃうもんですが(笑)心の中では業績ダウンのリスク対策をしておけばこうはならないわけですな。
帳簿上、こういう状態を「キャッシュフローの悪化」と言う。
ダンナさんの給料が入る前に出費しなきゃならなくなる。これもキャッシュフローの悪化。思い当たる節はないですか。
普通は入ってきて出る、っていうのが健全なんです。

経営者の条件は僕が思うに「経理力」に尽きると思う。
あるいは経理に自信がなければ経理に明るい人材にサポートしてもらって従うことが賢明。僕が見た何社もの倒産原因を考えると、ずさんな「経理」しか思い当たらない。表面的には全く倒産するような気配すらない会社でもそうなるんだから、それくらいお金の管理と普段の引き締めは大事だということなんだろな。
さっきは税金を例にした訳だけど、税金というのは遅れると督促料が付いてくる。まぁ、これも痛いのだけど、これで潰れるケースは滅多にない。もっと問題なのは借入金の返済ができないほど手持ち資金が底を付いた場合は不渡り出して倒産コースである。普通は差し押さえられ精算。それでも完全に返済できなければ破産という流れ。

ハンドメイドを「趣味」としてやっている、というのはまぁ多いでしょう。これを会計の目から見ると製造業そのものだったりするわけで、その辺、しっかり把握しているのかは疑わしい。
製造業は材料調達→製造→市場という流れであるために代金回収が後になる。家電なんか例にすると凄く分かりやすい。市場の動向調査、つまりどんなものが売れるかニーズを調査して売れそうなものを企画設計して材料の調達と生産ラインの整備(設備投資)をして売り出す。小売店から仕入れとして代金を貰って初めてココまで払った代金を回収できる。
つまり、このような業態は資金力がないと成立しない。
ハンドメイドってこれのミニバージョンなんだよね。作り手というのはどうかすると「作品の評価」に関心が強い傾向だが、こういったお金の流れの健全性にも注目すべきだと思う。
これが上手くいってる場合「趣味」でも長く続けられるし、結構楽しいと思う。逆の場合は、やっぱ楽しくないね。
白状しよう。僕は20代はおろか30半ばでも、まだ全く逆に思っていた。

現実に小さなアトリエ系の会社というのはハンドメイド業界に毛が生えたようなものがある。
ある女性経営者の失敗談。
彼女は建築デザイナーとして勉強し、卒業後、地元の建築会社に就職した。仕事は順調でその内デザイナーとして頭角を現すに至った。その頃、オリンピックの需要があってその仕事に携わったが、それが高く評価され独立する決心を固めた。
仕事はこなせないほどあった。だが経営は何故か苦しい。寝るのを惜しんで働いても全く上向く気配すらない。当時は銀行も必要もないほどお金を貸そうとする時代で、慎重だった彼女は言いなりにこそならなかったが想定より多く借金をしていた。その返済に困るようになると仕事どころではなくなったそうだ。
結局、決断をするしかなかった。最初にやったことは人員整理。そして東京へ事務所を移し活躍の場を変えたことだった。
今でも経営は苦しいと言いながらも、以前ほどではない、と話す。彼女は失敗の原因をこう話した。
仕事が忙しくて一人では裁けず人員を増やしたのは失敗だった。人を増やすと固定費が増えるので更に仕事を取った。幸い仕事はあった時期だったので取れたが、取れば取るほど回らなくなり、余計な経費が増大した。それが知らず知らずに経営を圧迫していた。
「結局、わたしが作り手だったからダメだったんです」
この一言は強烈に印象に残った。
彼女はデザイナーとしては有能だった。だがそれ故に前線に立って仕事をした。仕事が増えると雑務も増える。そのことで経理が疎かになったのが最大の原因だった、という。
今は経理兼アシスタントと二人で仕事をしているそうだが、以前より仕事が減ったのに経営は楽になったという。
僕がこの話を聞いたのはかなり前だが今でも印象に残る話だった。多分、何よりお金の管理が大事と考え出したのはこの時期だと思う。彼女の場合、自分の失敗の原因に行き着いたのだけど、中には的外れな原因を挙げ連ねる元経営者さんはいるもので、そういう人は次も失敗する。まぁ笑えないジョークのひとつになるんだが。
家計簿というのは家庭という単位の経理だと思う。ダンナさんの小遣いを減らそうと企むなら(笑)家計簿の数字を突きつけるのが一番効果的。
世の男というのは大体が理論的に来られるとまぁ納得しちゃうんですな(笑)
逆に感情論は絶対にアウト、というか聞きたくない。大体、うざくなって無視するパターンになりますね。
男女での思考パターンに違いがあるって話も面白いのでいつか書きます。

今回も楽しくない話に付き合って頂きありがとうございます。
最後にもう一言。
経営はの極意は「失敗に学べ」
座右の銘です。
多くの人は「成功談」に群がり、失敗した話は聞きたがらないそうです。僕は失敗した話を聞きたがります。特に興味があるのは「何故、失敗したか」ですね。ここにその人が失敗から何を学んだか「知識の宝庫」があるからです。失敗は成功の元。昔の人は上手いことを言ったもんだと思います。
死ぬまで勉強。
そうそう、10年くらい前に韓国へ旅行に行った事があります。その時、凄く感じたことがありました。
「韓国の人って昔の日本人みたいだな」って。非常に勤勉だと思ったんですね。
観光で行ったんですが、全く違う感動して「自分ももっと勉強せんと」と(笑)




同じカテゴリー(日記)の記事画像
A HAPPY NEW YEAR
PCケース
HDDがオフラインだと!?
入院者ワースト1だと?
“バイナリ”を検索すると
ママ
同じカテゴリー(日記)の記事
 入院 (2013-01-28 14:25)
 A HAPPY NEW YEAR (2013-01-01 11:44)
 【情報求む】轢き逃げ (2012-10-20 00:38)
 SSDにOSを載せて起動してみた (2012-10-16 10:40)
 PCケース (2012-10-07 21:01)
 家庭崩壊の危機~SNSに見る愚行~ (2012-10-05 08:58)

Posted by *clear* at 18:11│Comments(0)日記
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。