2011年03月13日

デマ

毎回、大災害のときに出回るデマ。
今回はチェーンメールというカタチで行われている模様だ。

自衛隊員の家族発という体裁で『自衛隊が支援物資を募集』しているというメールが巷で出回っている。そんなバカなハナシを信じる気などサラサラないが、これに惑わされている人がいるらしい。

疑問には思わないだろうか。
何故、本当に自衛隊がそのような募集をするのに『家族』を語らなければならないか。
何故、メディアから呼び掛けず『メール』なのか。

常識で判断するとはそういうことだ。
防衛省のサイトで事前に確認することくらいは容易い。せめてそれくらいしてソースの正確さを確認して欲しいもの。

つまらないことでネットの資産を無駄遣いしないでほしい。

阪神淡路大震災でも新潟中越地震でも無作為に送られる物資は迷惑でしかなかった。
「ゴミになった」との記事を書いているのも見受けられたが、今でもハッキリ記憶している。
洗濯されていない下着や(被災して非難している人々にとって)使えない衣類やら挙句の果てには『ゴミ』そのものが送られて大迷惑したことを。

注記
すべてがそうだ、との意味ではない。このような不謹慎なことが一部であった、ということ。


現場はまだ復旧もしていないし、何より人命救助が先決である。

善意だろうが悪意だろうが、浅はかな行動は人災である。


<追記>

デマメールは災害でなくとも起こり得る。代表的なのは「緊急!ウイルス感染の可能性」などといったメール。
これらのメールは、PCがウイルスに感染している可能性を指摘した上ですぐに指定のファイルを検索して、あれば大至急削除して欲しい。このメールを知人にも送って大事な友人を救ってやってくれ、というような内容が多く見受けられる。
実際には検索すると確かに該当ファイルが存在するが、それは元々あって然るべきファイルで、それを削除することで不具合が生じたり、最悪はWindowsが起動しなくなったりする。これも人の心理を上手く使ったチェーンメールだが、内容の真偽を確認せずに作業するのは危険すぎる。
例えば確実なのはウイルス対策ソフトのWebサイトにアクセスしてみることだ。デマメールであることをトップページに掲載しているケースは多い。
情報社会と言われて久しい今日、更にメディアは増え、情報の洪水の中にいる、と言っても過言ではない。このような社会での生き残りは、多くの情報の中から正しい情報と正しくない情報の取捨選択に掛かっていると思われる。情報には裏付けが必要なのだ。
インターネットは便利な反面、そういう悪しき側面も持っている。それを理解せずに使うと翻弄されることになるだろう。本当の怖さは人間の内面なのではないか、とさえ思っている。

今現在、何かをしたいと思っている方へ
気持ちはよく理解できる。でも被災地は道路が寸断されライフラインの復旧と人命救助が優先されている。
物資の供給は政府レベルで始まったばかりで、個人として今できることは非常に少ない。そのひとつが義援金。短期では銀行からの貸し出しがあるが、それだけで足りる金額では無論ない。だからと言って、物流が停止して商業の機能が不全な状態では即刻お金が役立つ場面は少ないと思われる。
ただ超短期では役に立たなくても短期~中長期では必ず必要になるものだ。
従い、長いスパンで必要と考え一回は小額であっても定期的な募金は大事だと思われる。
注意して欲しいのは、必ず信頼できる機関を通して振込みとすること。現金の郵送や、チェーンメールでの詐欺には騙されないようにすること。

個人からの物資支援、人的支援はすべての自治体から辞退の申し入れが出ている。過去の苦い教訓からくるものなのだが、二次復旧した頃になると一般ボランティアの活躍する場面も多くなる。一定の物流が確保されれば物資も届くようになる。
阪神淡路大震災のとき、善意で駆けつけたと思われるボランティアの車両で大渋滞が発生し、救助チームや医療チームが現地に入れなくなった。このことで助かるはずの方々が救えなかったことは知っておいて欲しい。
無計画に物資が送られても困惑するだけのこと。必要になれば自治体などを通して情報が出る。それに従って欲しいと思う。物資の供給に偏りがあれば被災者も困るのだ。
それまで気持ちをグッと抑えて我慢することも、今の僕たちにできることではないだろうか。

建築設計と災害対策マニュアル策定の作業をする上で、過去にかなりの震災資料を調べており、手厳しいことを承知でこの記事を書かせて頂いた。
今回は津波による被害が想像を絶するものであり、この時期に津波の被害に遭われた方々はさぞかし寒さが堪えていることと想像する。夜に照明がないことも心理的には不安だと思う。
被災地の衛生状態も気になるところで、津波によって汚水なども町中に広がったと思われ、伝染病などの3次災害も想像に難くない。
微力でも*clear*として援助の一役を担いたいと考える所存。



Author:IKEA



同じカテゴリー(東北大震災)の記事画像
塵も積もれば
原発とどう向き合うか
情報難民、情報弱者3
1円の重さ
同じカテゴリー(東北大震災)の記事
 もう3年 (2014-03-11 21:08)
 あれから2年 (2013-03-11 13:29)
 3.11 (2012-03-11 12:41)
 塵も積もれば (2011-05-29 11:34)
 あなたは子供に何を残せますか? (2011-04-24 23:55)
 原発とどう向き合うか (2011-04-10 23:42)

Posted by *clear* at 21:13│Comments(9)東北大震災
この記事へのコメント
バッサリ切り過ぎ

まぁ私もすぐ自衛隊の友人が広報なんで連絡とって調べてもらったけど

そんなお願いはしてませんとのコト


だけどね
有志で動いてる人達に悪意は無いんだよ

みんな気持ちで動いてるからね

実際は動く前に直接問い合わせないといけないのは事実なんだけどさっ

急がないとって
思っちゃったんだよ


祈るのは
集められた物資がきちんと被災地に届きますように
だよ
Posted by くろすけ at 2011年03月13日 22:42
>くろちゃん

>バッサリ切り過ぎ

だとは思いません。
そもそも現状で物流は完全にストップしています。届くはずもありません。
悪意がない、それで許されることではないと思いますよ。
過去の震災で教訓となっていること。
気持ちではなく、大事なのは「沈着冷静な判断」だと考えます。

我々が今の震災に遭われている彼らと同じ立場に立たされた時、
その真価が問われると思います。
Posted by *clear**clear* at 2011年03月13日 22:49
>2011年03月13日 22:49
*clear*さん
まぁ
テレビで散々郵便物は送れないって言ってるもんね

冷静に考えたら分かりそうだけど

今集めて
準備してるって人達もいるしね

岩手の彼の様な気丈な人もいるけど

そうでない人も居るってコト

バッサリは嫌いじゃないけど 被災地に関わりがあって動いてる人もいるかもだしね 少し柔らかくがいいかなぁって思ったのさっ
私もあっちに仲間が居るしね。。。

まだ連絡ないんよ

待つしか出来んしね
Posted by くろすけ at 2011年03月14日 01:21
>くろちゃん

僕がここまでキツイ書き方するには確信があって言ってることなんだよ。
被災地の人が本当にして欲しいことは
「欲しい物が必要な量を適切な時期に」なんです。
それは段階を踏んで計画的にアナウンスされてきます。
今はその段階にありません。

気持ちは凄くわかる。
でもボランティアっていうのは自分の気持ちを押し付けるものじゃないはず。
物資が不足してるのは、向こうで被災した友人のメールで理解してます。
全員無事が確認できたけど食料が物流ストップで不足しているという情報を得ています。
でも送る手段は今のところない。
仮に送ってもそれの仕分けに人を裂かなきゃならない状況は、今もどこかにいる生存者の救出の妨げになるばかりです。
一人でも助けることが先。
食べ物はその後からでも間に合うし、計画供給のできる企業との連携の方がずっと効率がいいのも事実です。
気持ちじゃなく現実に即した冷静な判断をして欲しいと願ってやみません。
献血も基本ナマモノだから今したからどうこうということじゃない。
一番大事なのは「過去から学ぶ」こと。
ネットにはそれを知る手段がある。
Posted by *clear**clear* at 2011年03月14日 02:49
言ってるコトは
間違ってないと思う。。

でもそのお節介さん達のおかげで助かるコトもあるでしょ

全部は否定出来ないのは確かだからね

バッサリ行きすぎると
感情のが先にたって

同意するまえに
腹立てて終わるかもよ

だって善意で動いてる人が多いんだから


ってここで議論するのは違うね

何か一緒に考えましょう 私達に出来るコトを
Posted by くろすけ at 2011年03月14日 09:34
>くろちゃん

議論した方が良いと思うな。
こういう機会でもない限り、こんなこと考えることは少ないし。

ツイッターから

『個人で被災地に向かおうとしている人へ。善意はわかるのですがその行動は迷惑にしかなりません。飲み物は飲料会社が、紙やオムツは製紙会社が、その道のプロ達が大量の支援物資を既に現地に送っています。支援物資を迅速に届ける為にも個人が交通量を増やすことは絶対に良い方法ではありません。』

これも僕の言ってることと一緒だと思う。
大変な時にどうするのか?

それと、不正確な、というかこういうイタズラに惑わされて
自分が情報拡散の幇助を行い、という意識が必要だと思う。
悪いんだけど、現状で物資を用意した人、完全に嵌ったわけで
気持ちとしては気の毒としか言いようがありません。

やはり友人が過去にブログでエントリーした内容で
「無責任なことは書けない」と言ったことがあります。
自分の書いた記事を読んでそれに影響された人がいたことへの、
猛烈な自責の念でした。
ネットの情報は誰でもどこからでも見られるのだし、
個人としても責任は回避できないと思うんだよね。
Posted by *clear**clear* at 2011年03月14日 10:15
追記

すでにこういうデマ情報を送った、あるいは転載した多くの人が
「謝罪文」の記事をUPしてますよね。
こういう方々がチェーンメールは送ってはいけない、という認識を持ったと思われます。同時に責任ある発言をしなきゃ、とも思ってるんじゃないでしょうか。
じゃあ、未だに何もそれに対して正式な記事を上げてない方々は、
自分の行動をどう思ってるんでしょうか。
ただ単に無責任なだけなのではないでしょうか。
Posted by *clear**clear* at 2011年03月14日 10:41
>2011年03月14日 10:41
*clear*さん
まぁ 何事も経験

私も一度チェーンメールで失敗してますから

すんなり信じない
でももしかしたらって思っちゃう

だからブログだけには
アップするんだけど

メールは恐ろしい位にはやいから出来ないけどね

でもやっぱり
助けたい気持ちは一緒


起動修正しながら
ちゃんと支援にたどり着けばいいって思うのは

私のエゴ?


だってちゃんと
教えてくれる人達がいるじゃん

タイムズタイムさんとか クリアさんにしても

情報を教えてくれてるしね

私が気になるのは
クリアさんの記事も善意で間違ってるコトを教えてくれてるのに


書き方によって
誤解されちゃわないかなぁって思ったのでf(^ー^;


こんな長く
書き込みしちゃってるんだけどね


内容は
全くもって間違ってないと思うけど

何にもない時なら
個人の日記やけん良いんやないの?

とか思うけど


こんな時だからこそ
読む側の心に響く書き方の方が皆が理解しやすいかなってf(^ー^;


思う訳ですよ


まぁ
小さな親切
大きなお世話みたいな感じ?

私ももっと考えたいと思います
Posted by くろすけ at 2011年03月14日 12:09
>くろちゃん

個人でも発信者の立場になるときは無責任じゃいけないと思うよ。
だから「その情報って正しいの?」と考えるんじゃないのかな。

曲解される可能性はあるかも。
でも、これらのチェ-ンメールに乗っちゃうのは相当ヤバイと思う。

過去の震災でもデマはかなりあったんだよね。
しかも被災した当事者だから始末が悪いわけです。集団心理も働いてるから、今回の流れには静観できなかったですね。
もし、震災に遭う立場だったらゾッとする。これが印象です。
場合によったら本当に死へまっしぐらに向かうかも知れないという恐怖あるよ。

被災者側じゃないから大混乱にならなかっただけ、だと思ったら違うと思う。
Posted by *clear**clear* at 2011年03月14日 12:52
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。