2011年06月05日

花の命は短くて

今日は朝から雨。
だから昨日はムリをして共用にホースを引き込み掃除をした。
どんなに気をつけていても虫やらカエルやらの糞があちこちにつく。これが案外曲者で壁に散水しながらじゃないと落ちない。
床も水で汚れを緩めてブラシで擦り洗いする。
なかなかの重労働。

3階から始めて2階部分に来た時、僕はあるものに気がついた。

「おい、ちょっと出ておいで」

花の命は短くて

ヒメシャラに花が咲いたのだ。
植えてから何年目だろう。
「この樹は花が咲くんですか?」
植えた頃、よく訊かれた。咲きますよ、と答えて「でもこの環境ではかなり先かも知れませんね」とお茶を濁していた。
実は今のヒメシャラは2代目だ。
最初のヒメシャラは途中で調子を崩し、枯れてしまった。
客土して土壌改良もしたし、乾燥を嫌う性質からこの樹を選んだから原因は今だによくわからない。環境的にはこの樹にあった場所だったはずだが、枯れてしまった。ヒメシャラには時折起こる現象だと聞く。

祈るような思いで植えた2代目。
今年は春先から樹皮が剥けはじめた。
シャラは成長すると樹皮が剥けて赤褐色のすべすべした幹が現れる。
これはいい兆候だった。

たった一輪だけの花。
しかも1日で散ってしまう花。

祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。

平家物語の冒頭に登場する沙羅双樹はこのヒメシャラ(あるいは夏椿)ではないか、と言われている。
来年も咲いてくれるだろうか。




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