毎回、大災害のときに出回るデマ。
今回はチェーンメールというカタチで行われている模様だ。
自衛隊員の家族発という体裁で『自衛隊が支援物資を募集』しているというメールが巷で出回っている。そんなバカなハナシを信じる気などサラサラないが、これに惑わされている人がいるらしい。
疑問には思わないだろうか。
何故、本当に自衛隊がそのような募集をするのに『家族』を語らなければならないか。
何故、メディアから呼び掛けず『メール』なのか。
常識で判断するとはそういうことだ。
防衛省のサイトで事前に確認することくらいは容易い。せめてそれくらいしてソースの正確さを確認して欲しいもの。
つまらないことでネットの資産を無駄遣いしないでほしい。
阪神淡路大震災でも新潟中越地震でも無作為に送られる物資は迷惑でしかなかった。
「ゴミになった」との記事を書いているのも見受けられたが、今でもハッキリ記憶している。
洗濯されていない下着や(被災して非難している人々にとって)使えない衣類やら挙句の果てには『ゴミ』そのものが送られて大迷惑したことを。
注記
すべてがそうだ、との意味ではない。このような不謹慎なことが一部であった、ということ。
現場はまだ復旧もしていないし、何より人命救助が先決である。
善意だろうが悪意だろうが、浅はかな行動は人災である。
<追記>
デマメールは災害でなくとも起こり得る。代表的なのは「緊急!ウイルス感染の可能性」などといったメール。
これらのメールは、PCがウイルスに感染している可能性を指摘した上ですぐに指定のファイルを検索して、あれば大至急削除して欲しい。このメールを知人にも送って大事な友人を救ってやってくれ、というような内容が多く見受けられる。
実際には検索すると確かに該当ファイルが存在するが、それは元々あって然るべきファイルで、それを削除することで不具合が生じたり、最悪はWindowsが起動しなくなったりする。これも人の心理を上手く使ったチェーンメールだが、内容の真偽を確認せずに作業するのは危険すぎる。
例えば確実なのはウイルス対策ソフトのWebサイトにアクセスしてみることだ。デマメールであることをトップページに掲載しているケースは多い。
情報社会と言われて久しい今日、更にメディアは増え、情報の洪水の中にいる、と言っても過言ではない。このような社会での生き残りは、多くの情報の中から正しい情報と正しくない情報の取捨選択に掛かっていると思われる。情報には裏付けが必要なのだ。
インターネットは便利な反面、そういう悪しき側面も持っている。それを理解せずに使うと翻弄されることになるだろう。本当の怖さは人間の内面なのではないか、とさえ思っている。
今現在、何かをしたいと思っている方へ
気持ちはよく理解できる。でも被災地は道路が寸断されライフラインの復旧と人命救助が優先されている。
物資の供給は政府レベルで始まったばかりで、個人として今できることは非常に少ない。そのひとつが義援金。短期では銀行からの貸し出しがあるが、それだけで足りる金額では無論ない。だからと言って、物流が停止して商業の機能が不全な状態では即刻お金が役立つ場面は少ないと思われる。
ただ超短期では役に立たなくても短期~中長期では必ず必要になるものだ。
従い、長いスパンで必要と考え一回は小額であっても定期的な募金は大事だと思われる。
注意して欲しいのは、必ず信頼できる機関を通して振込みとすること。現金の郵送や、チェーンメールでの詐欺には騙されないようにすること。
個人からの物資支援、人的支援はすべての自治体から辞退の申し入れが出ている。過去の苦い教訓からくるものなのだが、二次復旧した頃になると一般ボランティアの活躍する場面も多くなる。一定の物流が確保されれば物資も届くようになる。
阪神淡路大震災のとき、善意で駆けつけたと思われるボランティアの車両で大渋滞が発生し、救助チームや医療チームが現地に入れなくなった。このことで助かるはずの方々が救えなかったことは知っておいて欲しい。
無計画に物資が送られても困惑するだけのこと。必要になれば自治体などを通して情報が出る。それに従って欲しいと思う。物資の供給に偏りがあれば被災者も困るのだ。
それまで気持ちをグッと抑えて我慢することも、今の僕たちにできることではないだろうか。
建築設計と災害対策マニュアル策定の作業をする上で、過去にかなりの震災資料を調べており、手厳しいことを承知でこの記事を書かせて頂いた。
今回は津波による被害が想像を絶するものであり、この時期に津波の被害に遭われた方々はさぞかし寒さが堪えていることと想像する。夜に照明がないことも心理的には不安だと思う。
被災地の衛生状態も気になるところで、津波によって汚水なども町中に広がったと思われ、伝染病などの3次災害も想像に難くない。
微力でも*clear*として援助の一役を担いたいと考える所存。
Author:IKEA