キックバック((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

*clear*

2010年09月09日 19:59

木工に限ったことかも知れません。
やりたい事によっては、手工具だけでは効率が悪く困難な場合があるのが木工でしょう。そこで人間の力以外、つまり電動工具の登場となります。
しかし、便利な反面、使い方を誤れば重大な事故につながるのがこれらの工具です。手工具も安易に扱えばケガはしますが、電動工具での事故はそのレベルをはるかに超えています。
電動工具に使われる汎用誘導モーターは100Vでも1/2~1HPのものが使われています。それに刃物が装着され様々な加工ができますが、その回転数はテーブルソーでは約5000rpm、ルーターだと20000rpmとかなり高速であり、それに指が触れれば切断することなど簡単なことです。
もう一つは電動工具特有のキックバックという現象。
電動工具が、あるいは加工される材料が意図とは違う動作をしてしまう現象です。
実際にどのようなものかご覧下さい。



内容は英語ですが、キックバックがなぜ起きるのか非常に解り易いいい教則ビデオだと思います。



のこ刃の中心より前方では下に向かって回転しているので、材料は定盤に押し付けられ浮き上がることはありません。
しかしのこ刃の中心より後方では上に向かって回転しているので、材料を押し上げる力が働いています。テーブルソーのキックバックは、材料の挿入が曲がってのこ刃に触れることで発生することになります。
このビデオでは撮影用に小さなピースを飛ばしていますが、もっと大きな材料が飛んできたら…
結果はわかりますよね。
手押しかんなの場合も材料に向かって刃物が回転しているので、堅い節や逆目削りなどによって材料が跳ね返され易い工具で、死亡事故はかなりの比率で手押しかんなが占めています。
あるブログでは手押しかんなによって「90mm角の柱が数メートル飛ばされたところを見た」とありました。人間に当たれば即死でも不思議ではありません。



これはMicro-Jigというメーカーの販促ビデオ。
プッシュブロックやプッシュスティックでの作業でどういう風にキックバックが起きるか解り易くなっています。以前にも書きましたが、アメリカではこのような事故防止と安全防具に対する意識が非常に高い国です。このGRR-Ripperも価格は$49.99(約5000円)と安くはありませんが、命と引き換えなら安いものです。むしろ、日本の大型のホームセンターがこのようなツールをほとんど扱っていないことが問題だと思われます。
僕も多くの事故を目撃しましたし、事故に遭ったこともあります。
溶接していて火花を直視してしまった(一晩魘された)
丸のこで太腿切断などなど
どれもちょっとした気の緩みからです。
このような危険がある道具ですが、だからと言って「怖いから使わない」というのではハナシになりません。自動車は遠くまで早く楽に到着する身近なツールですが、事故をすればケガや死亡もしますし、人を跳ねればやはりタダでは済みません。だから乗らない、という人は極僅かだと思います。
これらの工具にも便利な反面、リスクがあり正しく理解することで防止すれば、その恩恵は計り知れないものです。

最近は女性の木工作品が目立ちますが、作業しているときの安全面はパーフェクトでしょうか。
保護メガネは装着していますか。
正しい服装ですか。
ネックレスなどの装飾品は外しましたか。
本日もご安全に。

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